日本に3台しかない楽器が杉田劇場に登場
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2006年7月30日取材 |
7月30日(日)、2つの興味深いイベントが杉田劇場主催で開かれました。
ひとつは、オルガン、チェンバロ、フォルテピアノなどが一同に会した「けんばん楽器くらべっこ2006」。日本に3台しかないという楽器が登場し、生の音を聴くのはもちろん、参加者が実際に触れられるという、滅多にできない体験を提供してくれるイベントでした。
もうひとつは、以前に杉田劇場のみどころでご紹介した「杉劇リコーダーず2006」の練習。子どもと大人(ゴールド・エイジ)が午前/午後に分かれて、今回は新杉田地域ケアプラザで開催されました。
それでは、この2つのイベントの模様をゆっくりご覧ください。 |
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普通はあり得ない、鍵盤楽器の競演 〜けんばん楽器くらべっこ2006〜 |
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会場となった杉田劇場のリハーサル室にずらりと並んだ5台の鍵盤楽器。パイプオルガン、大小2台のチェンバロ、フォルテ・ピアノ、グランド・ピアノ。そのどれもが、外見だけでもまるで調度品のように素晴らしい姿です。
中でもちょっと聞き慣れないのがフォルテ・ピアノという楽器。これは言ってみればピアノの元祖。現在のピアノとは音量や音色が違いますが、チェンバロが音の強弱をつけられないのに対し、フォルテ・ピアノではそれが可能になったことで、当時としてはたいへん画期的な鍵盤楽器だったそうです。
そして、リハーサル室に登場したフォル・テピアノは、その中でも特に貴重なクリストーフォリ・タイプのレプリカ。なんと、日本にはこの1台のほかには、浜松市楽器博物館に展示されているものなど2台しかないそうですよ。つまり、日本で3台しかないということです。
さて、今回の「けんばん楽器くらべっこ2006」は、小学生の子どもたちと保護者が参加して、これらの鍵盤楽器の音を聴き、また実際に弾いてみようというもの。
演奏や歌、司会進行をつとめたのは、フェリス女学院大学音楽学部に通う4人の学生さんたちでした。 |
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チェンバロをバックに素敵な歌声で
グリーン・スリーブス(イギリス民謡)。 |
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パイプオルガンの説明をする、
製作者の神戸洋幸(かんべ・ひろゆき)さん。 |
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フォルテ・ピアノ、チェンバロを製作した
久保田彰(くぼた・あきら)さん。 |
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こちらは大きいほうのチェンバロ。
この子は見事に両手で弾いています。 |
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参加者の小学生たちは、とっても真剣に解説に耳を傾けたり、楽器をじーっと見つめたり。子どもたちの参加するイベントというと、これまでの取材経験では「ワイヤイガヤガヤ、人の話は聞いてない」ことも少なくなかったので(それはそれで楽しくていいのですが)、今回のようにじっと集中している姿にはびっくりしました。
途中、パイプ・オルガンの製作者である神戸さん、フォルテ・ピアノとチェンバロの製作者である久保田さんが、製作者自ら楽器の解説をしてくださるコーナーもあり、これまた貴重な体験です。久保田さんは埼玉から、そして神戸さんはなんと岐阜から泊りがけで杉田劇場までお越しくださったそうですよ。
磯子マガジンは、油絵の描かれたチェンバロ(下の右側の写真)に心を奪われてしまい、買えるわけも無いのに久保田さんに値段をお聞きしてしました。
「これはね、レンタル用なんですけど、もし同じものを作ったとしたら600万円くらいですかね。」
え。それは意外。もちろん、気軽に買える値段ではないし、磯子マガジンの家には置く場所もないわけですが、無茶苦茶頑張って働けば、もしかしたら買えるかもしれません。そして頑張りたくなるような素晴らしい楽器でした。
「もちろん、大きさなどによって値段に幅があるんです。だからお客様には、だいたいクルマ1台分のお値段と説明しています。600万円のチェンバロは最高級クラスですね。あちらの、一番小さなものだと(下の記念写真内の左側に写っているもの)軽自動車くらいです。」
ということで、チェンバロに興味を持たれた方は、久保田彰チェンバロ工房のホームページをご覧ください。
◆久保田彰チェンバロ工房
さて、イベントの方は、全員で「となりのトトロ」の「さんぽ」を歌って終了です。このときも、パイプオルガン、チェンバロ、グランド・ピアノが豪華な競演(このページの一番最初の写真)。普通はこの3つの楽器を同時に演奏することはまずあり得ないそうです。
毎年1回開かれる予定のこのイベント。今年行きそびれた方は、ぜひ来年、参加してみてください!!
※内容は毎年、見直される可能性があります。 |
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移動可能なタイプのパイプオルガン。
これまた装飾が素敵な木製の楽器でした。 |
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パイプオルガンのフタを開けるとこのとおり、
木製と金属製のパイプがぎっしり。 |
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最後は出演者、関係者、杉田劇場スタッフ全員で記念撮影。 |
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参考リンク |
フォルテピアノについては、こちらのサイトで詳しく説明されています。 |
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杉劇リコーダーず、ただいま練習中! |
続いては、杉劇リコーダーずの練習風景をレポートしましょう。
午前中は小学生(ソプラノ笛)の練習時間。彼ら・彼女らが集まったのは今日で3回目ですが、リコーダーを実際に演奏するのはまだ2回目・・・。と聞いていたはずなのに、いざ演奏が始まると、「えっ!?
これで2回目?」と驚くほどの出来栄えです。講師をつとめる吉澤実(よしざわ・みのる)先生も、「凄いよね、あり得ないよ」とおっしゃるほど。
これはもう、来春(2月24日)に予定されている杉田劇場ホールでの演奏会が今からとても楽しみです。 |
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とても2回目の練習とは思えない、
気持ちいい音色でした |
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呼吸法から楽しく優しく教えてくださいます。
磯子マガジンも一緒にやっちゃいました。 |
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午後からは大人の練習です。こちらはアルト笛。「なぜ子どもと大人が分かれて練習するの?」と思った方もいらっしゃるかと思います。パートも違うし、進行状況も違うので、しばらくは別々に練習するんです。冬休み頃からは子どもと大人の合同練習になります。
さて、大人パートには今日始めて練習に参加された方もいらっしゃり、子どもたちに比べると少々ゆっくり気味でしょうか。ただ、はじめは多少時間がかかっても、ある線を越えれば一気に良くなってくるものなんじゃないかと、素人なりに思います。頑張ってください。
★「杉劇リコーダーず」演奏会の予定 2007年2月24日(土) 杉田劇場ホールにて |
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