司会者が34人いるコンサート!
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2014年10月9日取材 |
司会者が30人以上もいるコンサートが、中野サンプラザ(東京都中野区)で開催されると聞いて、取材に行って参りました。
中野サンプラザといえば、かつてはコンサートの聖地のひとつ。いわゆる“外タレ”と呼ばれた来日ミュージシャンはもちろん、日本のメジャーなバンドやシンガーも、コンサート会場といえば、中野サンプラザか、渋谷公会堂か、新宿厚生年金会館、横浜なら県民ホール。そしてちょっと別格で武道館。そんな感じだったと思います。
※まだ少し先のことではありますが、中野サンプラザは2020年〜2024年をめどに建て替えられる計画が進んでいるそうです(詳細は、この記事の最後に紹介する日経新聞のサイトでご覧ください)。 |
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駅前(北口)はスペースが広くなり、コンコース(というんでしょうか)もでき、以前とはかなり様子が変わっていました。 |
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中野ブロードウェイへと続く商店街の雰囲気は、あまり変わっていないようです。 |
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ホールへ向かう大きな階段。これから始まるコンサートを思ってワクワクしながらこの赤い階段を昇った、という方も多いことでしょう。 |
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さて、司会者が30人以上もいるコンサートとは、いったい何なのでしょう。
主催するのは「日本司会芸能協会」。1986年、司会者の“横のつながり”を作るために結成された団体です。現在は大木凡人(おおき・ぼんど)さんが会長を務めるほか、大沢悠里さん(顧問)、徳光和夫さん(顧問)、生方惠一さん(顧問)、青空たのしさん(名誉会長)、毒蝮三太夫さん(応援団長)、夏木ゆたかさん(応援団)、綾小路きみまろさん(特別名誉会員)ら、多くの名司会者が名を連ねています。
同協会が年1回、会員同士の親睦と交流を深めるために、そして普段お世話になっている歌手の皆様やお客様たちにお礼をしたい、楽しんでいただきたい、そういう趣旨で開催しているのが、今回取材した「日本司会芸能協会まつり」なんです。
会員のメンバーは司会者ばっかりなので、その主催イベントも当然、司会者がた〜くさん出演する、他ではなかなか見られないユニークなコンサートになるのです。 |
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リハーサル終了後、本番コンサートの前に始まったのは、一般の人が舞台に立つ「歌謡曲愛好家
生オケ・コンサート」。中野サンプラザを使って、カラオケならぬ本物の生演奏オケをバックに歌えるという、カラオケ愛好家にとっては夢のようなイベントです。 |
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そんな司会者だらけのコンサートですが、開催されるのは東京の中野サンプラザ。それを、なぜ磯子マガジンが取材するのでしょう。
それはもちろん、磯子区にゆかりのある方が関係しているからです。それがこの方、司会者の池慎弥(いけ・しんや)さん。 |
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お名前と写真でピンと来た方は、かなりの磯子マガジン・マニア(?)かもしれません。池さんは、磯子区出身の演歌歌手・水木昌平さんのディナーショーなどで司会を務めるほか、杉田劇場で年に1、2回は開催されているカラオケ大会「結城忍(ゆうき・しのぶ)杯」の司会者として、何度も磯子区に来られており、その模様を伝える磯子マガジン記事にもそのたびに登場してくださいました。
磯子マガジンは、そんな記事を作る際、池さんのお名前をネットで検索する(つまりは、ググる)ことがあるわけですが、そのときに、池さんが日本司会芸能協会に所属し理事を務められていることを知り、その協会が年に1回、とてもたくさん司会者が出てくるコンサートを主催していると知ったのです。
それで、杉田劇場のカラオケ大会で池さんにお会いした際、「ぜひ取材したいのですが」とお願いしたところ、すぐに事務的な手配してくださり、今回の取材が実現したのでした。
さぁ、それでは司会者たくさんのコンサート、始まります! |
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午後3時半、いよいよ「日本司会芸能協会まつり」の開場です。 |
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こんなにいっぱいのお客様。栃木からバス3台を貸し切って来た、という団体の方もいました。 |
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次々と登場する歌手。それを紹介する司会者(赤い矢印)も、みんな違う人。
そういうコンサートなのでした。 |
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黒子に徹する司会の方たち、なるべく目立たないようにしているわけですから普通のイベントでは気が付きにくいのですが、こうしてたくさんの司会者の方が次々に出てくると、それぞれの声質、表情、熱さと冷静さ、アクションの大小などの違いが際立ってきて、司会の大事さ、面白さに気づかされます。 |
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司会者のお祭りということで、素晴らしいMCぶりにリアクションする歌手の方(青い矢印)もいたり。 |
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ファンの方(緑の矢印)がプレゼントを持って舞台下に走って来たことを、優しく歌手の方にお知らせするのも司会のお仕事のひとつ。 |
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第一部の最後は、ずらりと並んだ司会者がひとりずつ紹介されるという、普通のコンサートでは見られない光景です。 |
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ひとりひとり呼び出されて紹介されます。
われらが池慎弥さんも、もちろん登場(中央) |
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リハーサルでは指示出しに大忙しだった牧野事務局長。 |
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と、会長の大木凡人(おおき・ぼんど)さんも登場! 若い読者の方、ご存知でしょうか。元ヤクルト古田さんの従兄でもあります。 |
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そして、協会の応援団長、毒蝮三太夫(どくまむし・さんだゆう)さん! |
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現在、全国で約80名の司会者を抱える協会の事務局長で、森昌子さんの専属司会などで知られる牧野尚之(まきの・なおゆき)さんに、お忙しいコンサートの準備中、お話を伺うことができました。
まず、今日のように司会者がたくさん出るコンサートは、やりやすいのか・やりにくいのかを伺ったところ、仕事としては、やりにくい、「ひとりでやる方が気が楽」だそうです。なぜかというと、司会がひとりなら間違っても後から自分でリカバリーできる。でも、今日のようなコンサートは『歌手名を言いそびれた』『曲のタイトルを言わなかった』っていうときに、司会は次の人に代わってしまうので自分では訂正できない。次の人にお願いするしかない。
それから、ひとりなら、さっきこういう話をしたから次はこういう話題で、っていう“話の流れ”を考えて作りやすい。でも今日はそれが難しいうえに、ほかの司会者が何を話したか聞いていないといけない。例えばある司会者がステージで『今日は台風が過ぎて良かったですね』って言ったのを聞き逃すと、次の司会者も、また次の司会者も同じ話をしてしまいかねない。
というわけで、素人考えとは逆に、司会が多ければラクっていうわけではないそうです。おもしろいです。
そして、最近の司会業界についても伺ったところ、歌謡曲のコンサートの司会といった仕事が昔に比べて少ないのに加え、この頃は地域のイベントでも企業パーティーでも、プロの司会者には頼まずに、自前で誰かが司会を担当することが多いんだそう。ただ、「そういう状況でありながらも、『盛り上げるのはプロの司会者だよね』『いい会になるかどうかは司会者次第だよね』って言っては頂くんです。けれども、実際に起用するかっていうと結構厳しいですね」とのお話でした。
さぁ、ではコンサートの模様を引き続き! |
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休憩をはさんで第二部がスタート。15人のゲスト歌手が順に歌っていくのを、
舞台の左右に立つ4人の司会者がかわるがわる紹介するという趣向。 |
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そのうちの1人、一番右にいるのが池さんです。池さんは都合5曲を紹介。『函館の女』『圭子の夢は夜ひらく』『酒場にて』『南部蝉しぐれ』『真っ赤な太陽』。名調子を堪能しました。 |
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沖縄の民謡・民舞(左写真)、そして立体講談(写真右)などの珍しい演目も。 |
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再び休憩を挟んでここから第三部。大物が続々登場します。最初が夏木ゆたかさん。左の写真は熱唱しているように見えませんか。実はそのとおり。夏木さん、もともとは歌手としてデビューしたそうで、持ち歌の1曲を、この日唯一のカラオケをバックに披露した後、司会者として次の出演者を紹介します。 |
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登場したのは『バスストップ』の平浩二(たいら・こうじ)さん。この曲、PSY・SのCHAKAさんのカバー・バージョンでしか知りませんでした。オリジナルはまさか男性が歌っていたとは。ちょっと驚きました。 |
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続いて、あでやかな着物姿の椎名佐千子さん。ちなみに、公式ブログのトップ写真は180度違うイメージで、演歌のヒトには全く見えないです。 |
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藤原浩さんは、これまで20曲以上のシングルを発売してきたベテラン歌手。
全く何の関係もありませんが、パレ・ド・バルブの宮内オーナーと同い年、今年で55歳になられます。 |
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トリを飾るのは大スター・橋幸夫(はし・ゆきお)さん! 若い人は、お父さん・お母さん・おじいちゃん・おばあちゃんに聞いてみましょう。元祖御三家のおひとりですよ〜。あ、『あまちゃん』にご本人役で出演されてたんですね。 |
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池さんが最前列にいらしたのが、磯子マガジンには嬉しかったです。 |
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それでは最後に、池慎弥さんにミニ・インタビュー!
--- いきなりで失礼ですが池さん、おいくつなんですか。
四捨五入すると七十になっちゃいます(笑)。昭和21年生まれで、68歳になります。
--- 磯子マガジンはインターネットですが、掲載していいですか。
あんまり大丈夫じゃないんですけど・・・別にどうってことないです。まぁ、初めて出ますね、今まで曖昧にしてあったんで。今まではいくつですかって聞かれると『85歳』なんてね(笑)。歳を言っちゃうと自分自身が老け込んじゃうような気がしてね。
--- ご出身は?
新潟県 見附(みつけ)市です。長岡市のすぐ隣で、新潟県の真ん中へんですね。同郷だと、松永二三男アナウンサー(元日本テレビ)が、僕の妹の同級生です。
--- 池さんが司会を始めたキッカケは?
学生時代にアマチュアでバンドやってて、ジャズ喫茶に出演してたんですよ。そこで演奏もするんですが、しゃべりもあるんですね。1ステージ30分ぐらいだと演奏は5曲ぐらいが精一杯であとはしゃべってました。お客さんと掛け合いっていいますか、客いじりみたいなもんですよね。
--- それが本格的な司会業になっていったのは?
あるヘルスセンターの芸能部に勤め始めて、そこは日曜日ごとに懐メロ・ショーが入るんですよ。その司会をするようになって。芸能部の部長から「バンドやってたんならしゃべれるだろう」って。「司会は金になるぞ」とか言われてその気になったんですけど、全然なりゃしない(笑)。
--- 司会の修行をするとか、教室で勉強するとかそういう期間はあったんですか。
ないんですけど、その芸能部長がもともと日劇とかに出てた司会者だったんです。ディック・ミネさんの専属司会もやってたらしいんですよ。その方に、教わったわけじゃないけれども、見よう見まねで。最初はね。
--- 司会のお仕事で大切にしていることがあったら教えてください。
なんにもないんですけど・・・なんでしょうねぇ。「今日の司会者よかったねぇ」って言われたら失敗で、「今日の歌い手は良かったね」って言われたら(司会者として)喜んでいいよっていうのは言われましたね。お客様は歌い手さんのいい歌を聞きに来てる。歌い手さんが気持ちよく歌える場面を作るのが司会者ですよね。
--- 今日はどうもありがとうございました!
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というわけで、司会者がたくさん登場してさまざまな名調子を楽しめるのはもちろん、歌手もたくさん出演して素敵な歌がたっぷり聞ける「日本司会芸能協会まつり」。次回は第30回の記念大会で、日にちももう決まっています。
2015年11月5日(木) 会場:中野サンプラザ 豪華ゲスト多数!
興味のある方は、最後にご紹介する協会ホームページを随時チェックです! |
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今回出演した司会者の方たち、34名のお名前(番号は登場順)
(1)古賀智子 |
(2)ふしぎ良 |
(3)宮下心一 |
(4)宮久澤めぐみ |
(5)司ひろし |
(6)加藤亜津子 |
(7)星秀樹 |
(8)阿部千賀子 |
(9)長谷川由枝 |
(10)松井純子 |
(11)加藤礼子 |
(12)三条志郎 |
(13)五十嵐一枝 |
(14)のどかけん |
(15)旬香美知子 |
(16)後藤裕文 |
(17)寿亀子 |
(18)片桐ひとし |
(19)穂高五郎 |
(20)牧野尚之 |
(21)池慎弥 |
(22)今井あや |
(23)きらかん太 |
(24)藤井宮子 |
(25)道山利克 |
(26)とうみ勝男 |
(27)渡辺寛尚 |
(28)宝井駿之介 |
(29)夏木ゆたか |
(30)松鶴家三寿 |
(31)青空たのし |
(32)早川p志 |
(33)青空キュート |
(34)大木凡人 |
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関連リンク
○日本司会芸能協会 公式サイト
○池慎弥さんプロフィールのページ (日本司会芸能協会 公式サイト内)
○「五輪へ中野変身 サンプラザ解体、駅ビルも誕生」 (日本経済新聞 公式サイト内) |
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