磯子区の歴史講座は水上で開かれる |
2006年3月29日取材 |
磯子区内を中心に活動している郷土史団体「緑と歴史の散歩道」が主催した一日講座『川と海から郷土を考える』が3月29日(水)に開かれました。この講座の特長は、午前中に室内で座学の後に、午後からは船で堀割川、中村川や横浜の海を巡るところ。一年前に行われた同様の講座がたいへん好評だったために実施されたアンコール企画です。 |
|
午前中は磯子区の歴史を学びます |
午前中の講座は磯子駅そばの横浜市社会教育コーナーで行われました。講師をつとめられたのは「緑と歴史の散歩道」の代表・葛城峻さん。磯子マガジンにはもう何度も登場されている、磯子区の歴史の生き字引的存在です。
葛城さん自作の配布資料がまたすごい。B4サイズにびっちりと磯子の歴史・横浜の歴史が書かれた48ページにも及ぶ案内書、縄文期から始まって明治・大正・昭和など磯子周辺のさまざまな時期の地図と解説がつまった資料集、など。この場だけで終わらせるにはもったいないテキストです。 |
|
ということで、テキストをおともに葛城さんの楽しくてためになるお話を聞いているうち、午前中の講座はあっという間に終了です。葛城さんの講座の特長だと磯子マガジンが思うのは、難しい学問的な話だけでなく、僕のような素人にも楽しめる様々なエピソードが聞けるところ。その一端をちょっとだけ紹介してしまいます。
○地図で見ると中華街の道路は斜めになっているが、それは横浜新田の名残り。
○浜マーケットそば、今の小川ベーカリーがあるあたりには昔、がたくり馬車の発着所(立場・たてば)があった。
○磯子旧道の間坂のあたりには、かつてトンネルがあった。 |
|
アクシデントで航路変更。鴨下丸に何が起きた? |
各自で昼食をとった後、午後からは八幡橋を起点に、鴨下丸の釣り船をチャーターして横浜の川と海へ。主な航路はこんな予定でした・・・
八幡橋 → 堀割川を上る → 中村川を下る → ベイブリッジをくぐる → 横浜港 → 中村川・堀割川を経由して八幡橋に戻る → 磯子沖 → 八景島 → 八幡橋
そして、巡る景色に合わせて的確に解説を入れる葛城さん。驚いたのは話が歴史だけでは終わらないことです。目の前を貨物船が過ぎれば、話は自然と「なぜ船にはパナマ船籍が多いのか」といったところに及びます。できたばかりの金沢区の風車の足元の海では、その建設目的までスラスラと。ナゼそんなことまで、と思ってしまうくらい、とてもお詳しいのでした。
ところで、見出しにも書いたアクシデントは、横浜港を見学後、八幡橋に戻るために中村川をのぼっているときに起こりました。なんと、天候の関係で潮位が予想以上に高くなり(こういう事は少なくないそうですが)、無理に橋をくぐると船が橋にぶつかってしまうような状態で、先に進めなくなってしまったんです。
しかし、そこは経験豊富な鴨下丸の船長。いったん横浜港に戻り、本牧沖の海をぐるっと外回りして、無事に予定通り磯子沖から八景島方面へ。少々時間はロスしましたが、おかげでシンボルタワーや南本牧ふ頭を海から見ることもできました。
そんな、約3時間半の船旅を終えてあらためて思ったのは、横浜の海ってやっぱり見どころが多いなぁということ。それを実証する写真を以下に並べておきましたので、どうぞゆっくりご覧ください。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
途中から右に折れて中村川に。上は首都高です。
船はこの後、元町を横目に横浜港へ向かいます。 |
|
|
|
|
|
|
|
中村川沿いの桜。これ以降の写真は、
クリックすると拡大します。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
橋をくぐれなかったおかげで見られた
シンボル・タワー |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
この前、別の記事で紹介した三菱重工の風車も
海側から眺めることができました。 |
|
|
|
|
|
|
|
東京電力が見えてくれば磯子の海に戻ってきた
ことがわかります。ピンクフロイドのジャケみたい。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
次回の講義&散策は5月開催。「根岸と磯子を歩く」 |
「緑と歴史の散歩道」主催の次回講座は、以下の要領で行われます。
・講座名:「根岸と磯子を歩く −この町に海があったころ part1−」
・講義:2006年5月9日(火) 午後1:30〜 横浜市社会教育コーナー
・散策:2006年5月16日(火) 午前9:30〜 JR根岸駅前集合
・講師:葛城峻
・定員:40名(先着順。定員になり次第、締め切り)
・参加費:1,500円(保険料込み。当日、会場で支払い)
・申込み方法:往復ハガキに講座名と住所・氏名・電話番号を明記の上、下記まで郵送してください。
〒233−0001 横浜市港南区上大岡東2−14−15 緑と歴史の散歩道・事務局 藤川琢馬 |
|
|
磯子マガジン トップへ戻る |