連載・第1回目となる今回は、中古マンションの選び方についてお話したいと思います。
住まいというものは、実際に住んでみてから分かることがたくさんあります。中古マンションの場合は、完成前の新築マンションに比べて、購入する前に部屋の状況や設備の状況を確認することもできますし、上下左右に住んでいる方を知ることもできます。また、「マンションは管理で買え!」と言われるように、マンションの管理体制はとても大切です。中古マンションなら、共用部分をチェックすることなどにより、ある程度まで管理体制も確認することが可能なのです。
そういうわけで、新築のマンションに比べて、中古マンションには「安心感」というメリットがあります。また、冒頭の「おすすめ物件」でご紹介したような、室内は新築同様のリノベーション・マンションも多くなってきているので、最近では新築マンションに劣らないぐらい、中古マンションの人気が高まっています。
ところで、簡単に「家を買う」と言っても、人それぞれ好みも違えば生活スタイルも違います。気に入る物件は人それぞれです。不動産購入は人生の一大イベント。一生で一番大きな買い物だと思います。
そして、なかなか希望にピッタリの部屋が見つからないと悩んでいる方も少なくないはずです。実は不動産の場合、「70%気に入れば、それは最高の買い物」と言われているのです。単一の目的に使う商品、例えば家電製品などと異なり、住まいには実に膨大な数の要因が関わってくるため、希望に100%一致する物件が滅多に無いのがその一因です。また、2,000万円の予算の方は3,000万円の物件を、1億円の予算の方は1億5千万円の物件を希望する、というように予算とのバランスがとれていないケースも少なくありません。
ですから、ご自身の希望条件を整理し、「(1)駅までの距離、(2)日当たり、(3)駐車場の有無、・・・」などと優先順位をつけて、最低限、ここまでは譲れない、この先はあてはまればラッキー、といったリストを作るのも、ひとつの方法だと思います。
それでは、中古マンション選びの際、おさえておきたいポイントを解説させて頂きます。
(1) どこに住むか?
まず決めるのは「どこに住むか!」です。例えば勤務先まで電車で通う場合は根岸線がいいのか、京浜急行線がいいのか。また、どこの駅を利用するのか。毎日のことですから、少しでも楽な方がいいと思います。そうは言っても、近ければいいというものでもありません。例えば、磯子駅なら通勤時に始発電車が走っています。都内に住んでいたお客様から、「都内に住んで勤務先まで15分、20分の満員電車に揺られるより、1時間かけても座って通勤するほうが楽でいいですね。」と言われたことが何度もあります。
もちろん、通勤だけが全てではありません。お子様を通学させたい学校に通えるエリアで、というお客様もたくさんいらっしゃいます。住環境が良い所を希望されるお客様も、実家の近くを希望されるお客様もいらっしゃいます。
それぞれの生活スタイルにあった地域を選ぶことはとても大切なことです。
(2) 駅までの距離
そこで大切なのが、駅までの距離です。不動産広告に「駅まで徒歩○分!」と書いてあるのをよく見かけると思いますが、どのように計っているかご存じでしょうか? あれは、地図上の道路を80m/分で計算をしているのです。駅から物件までに坂道などがあっても計算には入りません。ですから、徒歩10分と書いてあっても、実際には15分かかることもあります。検討中の物件があったら、必ず駅まで歩いてみましょう。
(3) マンションの管理
冒頭でもご説明した通り、マンションは「管理を買え」といわれるほど、管理状態が大切です。管理がきちんとしているかどうかは、資産価値にも大きく影響します。まずはポスト(郵便受け)を確認してみてください。空き部屋のポストに、大量のチラシがガサっと入ったままだったり、周りにチラシが散乱していたりするようなマンションでは、管理も行き届いていないという目安になります。
また、清掃が行き届いているかどうかも大切なチェックポイントです。清掃に入る頻度や清掃のレベルまで、しっかり確認しておきましょう。
それから、修繕工事は定期的に行っているか、修繕の計画はあるか、なども大切なポイントです。修繕工事を適切に行うことにより、マンションの耐用年数は延びるのです。
他にも、修繕積立金はいくらぐらい貯まっているかなど、気になることは必ず事前に確認しましょう。 |