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2ピースバンド LooZer の1st EP発売中

2009年12月作成
LooZer @ B.B. Street 2009.9ともに磯子区在住のギタリストとドラマーによる2ピース・ロックバンドLooZer(ルーザー)。
都内や横浜のライブハウスを中心に、ときには茨城や千葉にも遠征して演奏活動を続けています。

ジャンルは「ポスト・ロック」の影響を受けたロック。

そう聞いて「ポスト・ロックって何?」と思った磯子マガジンは、Wikipediaで調べました!(笑) 

Wikipediaのポスト・ロックの解説ページに載っているアーティストの中で知っていたのは、海外だとジム・オルーク、Mogwai、Radiohead、国内だとバッファロー・ドーター。しかし、どうやら今挙げた、比較的知名度の高いアーティストでポスト・ロックの代表的なアーティストと言えるのはMogwaiだけで、他はポスト・ロックとして語られることもある、という程度のようです。

で、ポスト・ロックの代表的なバンドと言われている人たちの曲を実際に聴いてみました。「こみ上げるようなメロディーの1番・2番があって、サビに来たら盛り上がってみんなで合唱する」といったわかりやすい曲はありません。どちらかというと芸術的、アートな感じです。たとえば日本でアルバムが100万枚売れる、というような事態は、ちょっと想像できません。

たぶん聞く人を選ぶ音楽です。だからこそ逆に、そういう音楽が大好きな人は、ズンズンとのめりこんでしまうように思います。「あ、聴きたいかも!」と思った人には、ぜひLooZerをオススメします。なんせ、磯子区在住ですし!

アルバム名 ikkitousen (7曲+隠しトラック)
アーティスト LooZer
ウダノリユキ(宇田 周之) = ギター&ボーカル
タダノタケシ(但野 壮) = ドラムス
リリース 2009年9月1日
定価 1,575円(税込)
レーベル DAT record
取扱ショップ uda2 cafeuda2cafeネットショップ
ikkitousen / LooZer's 1st EP

磯子マガジンでコラムを連載中の石倉さんより、おすすめコメント
いやぁ、LooZerは純ロックですね。音楽的にというか、自分の訴えたいものを貫いてるところ、その姿勢がロックだと思います!

関連リンク
Loozer 公式サイト

ギター&ボーカルのウダノリユキさんによる全曲解説

LooZer @ B.B. Street 2009.91.intro
2曲目の『sarigiwaガールフレンド』をレコーディングするときに、スタジオで準備体操的にインスト(歌無しの曲)を即興でやってたんですよ。そしたらエンジニアがそれを録ってて。聴いてみたらそれが非常に良かったんで、「じゃあ、EPのイントロとして使いましょう」っていうことですね。まぁ、ズルイですよね(笑)。

2.sarigiwaガールフレンド
わりとポップでありながらも・・・、シューゲイザーっていうジャンルがあるんですけど、そのシューゲイザーを意識しながらアレンジしました。
Bメロのところでボイスを加工してて、それは僕が「Perfumeみたいにしたいんだけど」ってエンジニアにお願いして(笑)。最近、はやりじゃないですか、Daft Punk系の処理の仕方が(笑)。サザン・オールスターズも新曲でやってたりして。で、僕もちょっとやりたいなって(笑)。で、僕らのは、KAOSS PAD(※)を使って声を変えてもらいました。(※磯マガ註:パッドを指でなぞると、その動きに合わせて音がウニョウニョと変化する楽器)

3.文豪と剣豪
これは、LooZerが3人組だったときに作った曲で、今回のEPの中では一番古い曲です。でも3人でやってたときとは全然アレンジが違う。相当練りました。
歌詞は、知り合いが志半ばにして田舎に帰る、っていうときにその人に贈ろうと思って書きました。その人は昔バンドをやってて、辞めてからテレビ局のAD(アシスタント・ディレクター)になったんですよ。その後に、田舎に帰るという話になって。
僕、歌詞を作るときに言葉の韻というか響きで書いてくんですけど、それと歴史が好きなので、歴史モノの感覚で知り合いの姿に照らし合わせて。それで、タイトルも『文豪と剣豪』。

LooZer @ B.B. Street 2009.94.プロローグ
ポスト・ロックを聴いて作った曲です。具体的には、te'を聴いて。te'ってインスト・バンドでリリック(歌詞)が無いんですよ。そういうのを作りたいなと思って。けど、やっぱりちょっと「ウダ」になってしまって、ポスト・ロックにはならなかった(笑)。じゃあ、詞も乗せていこうかなと。2〜3行しかないんで、歌詞カードには入れてないですけど。

5.ロックは眠りにつく
「ロックは眠りにつきます!」みたいな(大笑)。なんていうんですかねぇ、ちょっと前にライブをやってるときに、僕、刺々しい部分があったんですよ。「ロックだから人と仲良くしない」とか、「ロックだからシャイなんだ」とか。ステージに上がってもダラダラしてるような。でもそうじゃないよな、というところから作った曲ですね。そういう思いで作りました。
これも楽曲自体にポスト・ロックの影響というか、風味が入ってますね。

6.月を越える。 >>歌詞はコチラ
一番新しい曲です。シンプルな歌モノ。
最近、ポスト・ロック寄りの曲が多くなってきちゃったんですよね。で、さらにもう1曲、やっぱりそういうような飛ばしモノの、ディレイの効果を使ったピュンピュンしてるものを作り始めたときに「それはいかんぞ!」とドラマーに止められまして。で、軌道修正をしようってことで、アコースティック・ギターとカホーンでスタジオに入って、僕の弾き語りで曲を作ることになって、できた曲ですね。だから、そんなに凝ったアレンジとかはしてないです。
ただ、レコーディングのときにこの曲だけはダブの要素を取り入れました。ドラムをオーバーダブさせてるとこなんかは聴いてると「ここ間違ってるんじゃない!?」って思うぐらい(笑)。ギターも重ねたんで、演奏者が4人いてそれに囲まれてるかのような感じの楽曲になったと思います。
<題名の最後になぜ「。」が付いてるんですか?> まぁ意識して付けたんですけど。そこはちょっと・・・、そこはちょっと・・・(笑)。

LooZer @ B.B. Street 2009.97.サンキュー
これは以前、デモ音源としてレコーディングした曲なんですけど、アレンジを変えて新しく録り直しました。
<2回録音してるってことは思い入れのある曲ですか?>そうですね。曲作りのキッカケは、失恋した知り合いのため。「いつまでもクヨクヨしてんじゃねぇよ」って。今は別れてしまったけども、以前に二人で過ごした時間は大切だぞ、みたいな。そういう思いを込めて作りました。でもそれだけじゃなくて、今まで一緒に過ごしてきた友人とか、先輩でもそうなんですけど、そういう人と別れるときの歌としても解釈できるような、恋愛だけじゃない歌詞にしました。
「サンキュー」「ありがとう」っていうのを言っていきたいなって思って、結構いろんなところで歌ってます。「あの曲いいよね、ちょっと歌ってくれよ」っていう風になればいいな、と思いますね。

8.夏の陽炎(隠しトラック)
(磯マガ註:隠しトラックについては、ウダさんにはあえてお聞きしていません。聴いて、いろいろ妄想してみてください!)

●●●

ウダさんに、1曲だけ磯子マガジンに歌詞を載せたいとお願いしたら、「じゃあ、『月を越える。』でお願いします」とのお返事。というわけで掲載させて頂きます。

月を越える。

作詞:宇田周之、作曲:LooZer


夜が更ける 街が眠る
街灯を道しるべにして
風に撫でられ思い出してる
溜息の理由探し

途方に暮れる君の横顔
おどけてみせても知らんぷり
ヒカリが射す満月の夜
煩わしい感じで歩く君

夜空を見て瞳に雲がかかるなら
手を伸ばして月を捕まえるから

口笛吹いて 手を伸ばして
月を捕まえてみせるから

夜が更ける 街が眠る
月を捕まえてみせるから

(JASRAC等の著作権管理団体に登録外の楽曲ですので、作詞者ご本人の許可を得て掲載しています。)

ウダノリユキ、LooZerを語る

--- LooZerについて教えてください。

バンド自体はもう8年目になるんですよ。以前はベーシストもいて3人でやってたんですけど、2年前にドラマーとベーシストが辞めて、代わりに今のドラマーが入りました。それが2007年の2月ですね。
当初は新しいベーシストも探そうと思ったんですけど、まぁ居なくても大丈夫なのかな(笑)と。ちょうど同じ2ピースのWhite Stripesが知名度が上がってきてた時期で、その頃からオーソドックスな形態にこだわらないバンドが増えてきたんですよね。

LooZer @ B.B. Street 2009.9--- 2ピースに変わって、音も変わりましたか?

若干、変わってると思いますね。以前の形態でやってた頃は、Foo FightersだとかWeezerだとか、エモコアとかパワーポップがはやってたんですね。それで自分たちもエモーショナルな歌モノのギターロックっていうような感覚だったんです。でも2人になってベースがいない。音圧的にそういう音は出しようがないので楽曲自体も若干変えていくっていうのはありましたね。

--- タダノさんのドラムの特徴は?

ポップですね。ポップな太鼓を叩くんですよね。元々僕はSmashing Pumpkinsがすごい好きだったんですね。で、以前のLooZerのドラマーはSmash Pumpkinsのドラマーに似た感じ。バスドラムでテンポをとるドラムだったんです。普通だったらハイハットでとるところを。それとは真逆で、タダノ君のドラムは正統派ですね。だから今は、よりポップになりましたね。

--- タダノさんの好きな音楽ってわかりますか?

僕よりも4歳ぐらい若いんで、ポスト・ロックが好きですね。海外だとHelmetsとかBattlesとか。日本だとtoe、teとか。でも幅広いですよね。音楽に対してハングリーというか。

LooZer @ B.B. Street 2009.9

--- LooZerのikkitousenもポスト・ロックですか?

完全にはポスト・ロックではないですね。これをポスト・ロックと言っちゃうと、もっと忠実にポスト・ロックをやってる人たちに失礼になっちゃうかな。
ただポスト・ロックのルーツには、僕が聞いてたような90年代のオルタナティヴがあって、ポスト・ロックは、それを経由して、消化した人たちがやってることが多い。だからそこでかち合うんだとは思うんですけど。彼がCDで貸してくれたものは、僕は凄い好きだなって思うんですよ。

--- 読者の方にひとことお願いします。

一生懸命作りました。MySpaceのLooZerのページでこのEPに入ってる曲がいくつか聴けますので、ぜひ、聴いてみてください。「CD買って」とか「ライブ見に来て」とは言いません。とりあえず一度聴いてみてください。
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