・ピアノが弾けたから小学生のときは学校でアコーディオンを弾かされたのね。それがイヤだった。あるときシンバルを叩く機会があって、そのイヤな気持ちをぶつけた。演奏に喜怒哀楽を入れるといい演奏ができるんだよね。
・しゃべるのうまくないから音楽家になったんだ(笑)。僕、話し方がだらしないじゃん? 演奏はそうならないようにしてる(笑)
・音楽ってやっぱり「入(はい)り」が大事なんだよね。最初の何音かで曲が決まっちゃうから。
・音がちょっと間違っててもリズムを崩さなければもっと良くなる。音程を気にしちゃうけど、それより大事なのはビートをそろえること。ちょっとぐらい音を間違えても吹いちゃう、叩いちゃう。そういうことが合奏の基本。
・世界には体の大きい人、手の大きい人、力が強い人がいっぱいいるけど(小さな日本人が対抗するには)使うのは頭なんだよね。例えば(と、ピアノで和音の実演)、こういう風に新しいハーモニーを作れば「あ、きれいな音だね」って言ってくれる。肉体的に障害があっても、頭でカバーしていけばいいと思うんだよね。
・(先生から、緊張したときの対策を質問されて)それは難しい。僕もけっこうアガって足が震えたりするんですよ。ピアノはまだいいんだけど、オルガンだとペダルを踏む足が震えて音がウェ~~~~~ってなっちゃう(笑)。
もうしょうがないんだよね。アガって当たり前。一緒に演奏するメンバーもアガる人の方が信用できる。アガることを楽しむようになれれば一番いいかな。
・僕は譜面が好きじゃないんですよ。譜面があると楽しく弾けない。小さい頃から(譜面なしで)耳で聴いた曲を弾くスタイルだったんで。でもそれじゃあ仕事としては通用しないから、ちゃんと譜面でも弾けるようにしました。
・ピアノ習いに行くのが嫌いで、「ピアノの先生のとこ行ってくる」って言って野球やってた。
・僕はね、小学校や中学校の時は音楽で食べてくとは思わなかった。職業で音楽をやろうとは全然思ってなかったんだ。
・笑顔とあいさつは基本だと思います。笑顔とあいさつをしっかりしてると仕事も増えるんだ(笑)。ブスッとしてたり、暗いと、ちょっと。
・音楽のいちばんいいところは人間のすべてを表現できることだと思うわけ。喜怒哀楽、哀しいことから喜びまで全部を音楽で表現できる。全部音楽に還元できる。音楽を職業にしていくのは大変なんだけどね。でもやってもいいんじゃないかな。
・長い間やってると、売れないとき、売れるとき、いろいろあるんですよ。でもいつも信じてるのは僕がやってるような笑顔の音楽が必要な時代が必ず来るっていうこと。いつも信じてる。
自分の時が来るっていうのは信じた方がいい。それにはまず、自分の良さを見つけることだね。
・僕はどっちかっていうとアレンジ、編曲で成功してるんですけど、編曲するのは好きではないんだ。でも、演奏者に徹するとなると、ヒトの(書いた)譜面を読まなきゃいけないんだよね。ヒトの譜面読むの苦痛なんですよ。だったら自分で書く方がいいかなって、それで編曲始めたの。そうしたら気が付いたんだけど、得意だったんだよね、編曲が。得意なものはお金になるんです。だから、自分の得意なものを知っておくといいよ。そうすると将来、それが職業に結びついたりするから。
・さっき弾いた『海の声』も、演奏で歌う(歌うように演奏する)ことを心がけてるんだよね。ビートを出すことと歌うこと。
・小学校の時はウチの裏が美空ひばりさんの家だったんですよ。近くに観光バスが止まってみんな手を振ってる。僕、それに向かって手を振って(笑)。そんな子供だったんだけど、ひばりさんの家に遊びに行っていろんな世界を見て。僕が小学校4年の時にひばりさんの誕生日パーティーがあって、そこで見た世界がとてつもなくて。庭にいっぱい屋台が出て、ベランダではオーケストラが演奏していて。自宅でそういうことやるって、なんていう世界だろうって驚いた。そういうのを子どものころに見て脳裏に焼き付いてたりするんですよね。
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