横浜空襲を描いた朗読劇「真昼の夕焼け」を小学生が体験
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2018年6月22日取材 |
6月に杉田劇場で、小学生向けに行われた朗読劇『真昼の夕焼け』を取材してきました。
朗読劇は、杉劇アート体験塾の一つとして開催されました。区内の小学生を杉田劇場に招待して、いろいろな芸術を体験してもらのが杉劇アート体験塾。2015年から年3回のペースで開かれ、今回の朗読劇でちょうど10回目になりました。2016年、2017年に続いて今年で3回目となる『真昼の夕焼け』のほかに、これまで大衆演劇(劇団若獅子)、クラシック(神奈川フィルハーモニーほか)、雅楽(真鍋尚之ほか)などを、たくさんの小学生が体験してきたそうです。
そして、今回の『真昼の夕焼け』には、さわの里小学校、屏風ヶ浦小学校の6年生と、洋光台第四小学校の3年生、ぜんぶで約200人が招かれました。
朗読劇『真昼の夕焼け』は、詩人の筧槇二(かけい・しんじ)さんが自身の体験をもとに、横浜大空襲を描いた同名の短い小説を、朗読劇にしたものです。出演は、横浜出身の女優・五大路子さん率いる横浜夢座の俳優さんたち。 |
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まず、五大さんが登場し、「グラマン」など子どもたちには難しいであろう言葉を解説。 |
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全員そろって、いよいよ開演。舞台は、 昭和20年(1945年)5月29日(火)。日本が戦争に負ける約3か月前です。この日の午前9時22分から、1時間以上にわたって、横浜に空襲がありました。 |
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進行役ともいうべき
五大 路子(ごだい・みちこ)さん |
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主に、主人公の「健二」を担当した
大和田 悠太(おおわだ・ゆうた)さん |
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健二の友人・木村君などを演じた
高井 清史(たかい・きよし)さん |
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名前のわからない美少女(女学生)役の
伊藤はるかさん |
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ピアノの中村華子さんは、さまざまな表現で情感アップ。左は、ピアノの中に手を入れて恐らく弦を直接はじいていると思われます。右は、ピアノの上に置いた鍵盤ハーモニカ(ヤマハ製ならピアニカ)を演奏中。 |
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主人公の“健二”は、中学生のとき(筧さんのプロフィールから計算すると当時14歳)、東神奈川駅のそばで空襲にあいます。友人や一緒に逃げた大人たちが次々に亡くなっていくなか、たまたまそばにいた少女と、なんとか逃げ延びたものの、名前も聞かずに別れる。そういうストーリーです。
平易な言葉遣いで、空襲の様子が、とても生々しく描かれています。おそらく磯子区の小学生でも知っているであろう「東神奈川」や「鶴見」といった地名が出てくることもあって、子どもたちにとっては、身近な場所で戦争があったことが、驚きとともに実感できたのではないでしょうか。 |
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終演後、客席の子どもたちが感想を話します。戦争の悲惨さを感じたことはもちろん、小学生だと、国語の教科書などを朗読する機会があるのでしょう、自分たちとの違いに驚いたのか、プロの演技の迫力を絶賛・称賛する声が多数あがりました。 |
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原作者・筧さんの奥様、順子さんも客席で鑑賞。小学生に向けて「戦争をやっちゃいけないんだと伝わったら幸せです」とコメントされました。 |
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イベントの主旨が子どもたちに伝わったことを確信した中村館長、充実の笑顔。 |
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参考になる本
●『真昼の夕焼け』著・筧槇二
本来は詩人である筧さんが出した小説集であるためか、この本は自費出版のようです。Amazonでは見つかりません。でも、横浜市立図書館で借りられます。
『真昼の夕焼け』の後日談も、随筆として収録されています。後年、あのときの少女と思われる女性が見つかったが・・・という内容です。
●『空爆の歴史−終わらない大量虐殺』 荒井信一・著(岩波新書)
空襲ってなんだろうと、いまさら思った磯子マガジンが、勉強のために読みました。ヨーロッパや、中国や、日本で、一般市民をターゲットにした空爆(空襲)が、どいういう理屈で行われたのか、そいういうことが書いてあります。
横浜市立図書館で借りられます。 |
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