お二人はお寺や神社で演奏する機会は多いそうですが、能舞台での演奏は年に2、3回とのことで、演奏会中にも何度か「能舞台で演奏できて本当に嬉しい、ありがとうございます」と話していました。終演後にお話を伺ったところ、「お客様に自分達の音がそのまま伝わる気持ちの良さ、一体感が素晴らしい。PA(マイク、スピーカー等)を通さずに生音というのがまた最高です」とのこと。能舞台は音響も優れていて、音がとても良く響くんだそうです。
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<<プログラム>>
1.イカルス (ラルフ・タウナー作)
2.アフター・ザ・レイン (ジョン・コルトレーン作)
3.サンデー・アフタヌーン (オリジナル=カーティス作)
4.カタクリの花 (オリジナル=ブルース&カーティス作)
5.千鳥の曲 (吉沢検校・作)
6.楽 (沢井忠夫・作)
7.さがり (青森で伝承された曲)※
8.曲水 (オリジナル=ブルース&カーティス作)
休憩
9.ラブ・イズ・ロード・オブ・オール (アイルランド民謡)
10.野ばらによせて (エドワード・マクドウェル作)
11.ア・チャイルド・イズ・ボーン (サッド・ジョーンズ作)
12.ディープ・フォレスト (オリジナル=ブルース作)
13.風のうた (現代邦楽)※
アンコール
14.紅葉 (高野辰之・作詞 岡野貞一・作曲)
15.里の秋 (斎藤信夫・作詞、海沼實・作曲)
16.アメイジング・グレイス 〜沖縄風味〜 (賛美歌)
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マークの曲は当日、追加・変更されもので、プログラムに記載がないため、曲名の表記などが間違っているかもしれません。 |
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この演奏会の主催は「思いっきり楽しい国際交流」。磯子区に在住の外国人の方たちと楽しく交流することを目的に活動しているユニークな団体です。これまで磯子マガジンで何度か主催イベントをとりあげています。
代表の椎熊さんによると、今回のコンサートは、地域の方たちに、あまり堅苦しくない形で、リラックスできる雰囲気の中で日本文化に触れてもらいたいという主旨で企画したとのこと。「国際交流の場では自国の文化に話が及ぶ場面が多い。そのときしっかり日本の文化を語れるようにするためには、まず日本の文化に興味を持つことが必要。そのキッカケとなれば嬉しいです」と話してくださいました。
今回はスタッフ5人だけで全てを企画・運営したので何かと大変だったそうですが、その尽力のおかげでたくさんのお客様が来場し、本当に大盛況でした。
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ところで、今回の演奏会では何度も「申し訳ありません」という気持ちになりました。
「箏っていい音するんだなぁ」「尺八、かっこいいなぁ」「へー、箏って弦が13本なんだね」「長さが一尺八寸だから尺八なんだ!」
邦楽については知らないことばかりで何度も驚かされるわけです。そしてそのたびに、「それをアメリカ出身の人たちに教わっているのか・・・」「日本人なのに何も知らずに申し訳ありません!」と、そういう気持ちになるのです。
そんなわけで、箏と尺八について、ごくごく基本的なことですがネットや本で調べてみました。
箏(こと):弦は13本。柱(じ)と呼ばれる駒(今回のコンサート写真の白いもの)を移動して調弦(チューニング)します。さまざまな調弦法があり、例えば平調子(ひらぢょうし)は西洋音階の「ミ・ファ・シ・ラ・ド」。カーティスさんも曲が終わるたびに調弦を変更していました。
なお、もともとは箏(そう)、琴(きん)、琵琶(びわ)の総称が「こと」だったそうです。
尺八(しゃくはち):長さが一尺八寸あるので尺八。ただし、現在はさまざまな長さの尺八があります。
指孔(指で押さえる穴は5つが基本。うちひとつはリコーダーと同じように裏側にあって、親指で押さえます。リコーダーで音を区切るときは舌でタンギングしますが、尺八では微妙な指使いで音を区切ります。時代物の映画やドラマで、尺八を吹きながら首を上げ下げしたり左右斜めに振ったりするのを見ることがあると思いますが、それによって音を上げたり下げたり、ビブラートをかけたりできます。
○参考:『実践「和楽器入門」』(ヤマハミュージックメディア) ISBN4-636-72023-7
○Wikipedia 箏 / 尺八
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関連リンク
・カーティス・パターソン 公式サイト
・ブルース・ヒューバナー 公式サイト
・CANDELA 公式サイト (ブルースさんが所属するジャズ・バンド。JAZZ meets 尺八!)
・純邦楽CDショップHOW (カーティスさん、ブルースさんのCDも購入できます) |