磯子区のすぐ隣で行われているジャズ・フェス
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2008年8月31日取材 |
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8月31日は、8月最後の日曜日。そして、この日で8月も終わり。
磯子区からほど近い、中区の本牧市民公園で「第28回 本牧ジャズ祭」が行われました。何せ、最寄り駅は磯子区根岸駅。駐車場もあるので、自家用車もOK。磯子区民にとっては近場で行われる嬉しいメジャー・イベントです。去りゆく夏を惜しみつつノンビリ過ごすのに最高なのです。
さらに今年は、磯子区出身のミッキー吉野さんがEnTRANSというグループで出演。「これは見逃せない!」という事で、自転車にまたがり会場へ。 |
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前日までの雨模様がウソのような青空
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ところで皆さん、覚えていますか、8月の終盤は毎日のように雨でした。「まだ梅雨があけてなかったのか!?」と思うほど。ところが、本牧ジャズ祭当日に限っては、久々の青空で暑さも戻った夏らしい一日。まさに野外コンサート日和です。 |
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会場は、本牧市民公園内にある照明設備付きのグランド。本牧市民プールのお隣です。 |
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駅から少し遠いので、バスのほかに、タクシーを利用する来場者もかなりいました。 |
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今日の入場者数は約2,000人(主催者発表)。正直言って交通の便が良いとは言えないこの場所で、この人数は凄い。それに今年で本牧ジャズ祭は28回目。28年も続いているのです。凄すぎ!
それだけ、このジャズ祭が根付いているということでしょう。 |
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横浜開港150周年の公式キャラクター「たねまる」は子ども達に人気。「中から外は見えるの〜?」なんて話しかけられてました。 |
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鮮やかな緑色の芝生。あっという間に、いくつものテントが組み立てられました。 |
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カメラを向けると、皆さん、ポーズをとってくれます。とても楽しそうな、いい雰囲気でした。 |
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本牧ジャズ祭スタート!
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開場から開演までの45分。ステージ前のスペースには誰もいなくて、皆さん、後方でテントを張ったり、バーベキューをしたり、ビールを飲んだり、屋台で食事を買ったり、芝生に寝そべったり、実にゆったりとした雰囲気です。
司会の島田奈央子さんがステージに上がり、続いて今年の実行委員長で関西出身の山崎洋子さんが「憧れの地・横浜とジャズ」についての想いを語った後、いよいよステージがスタートです。 |
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演奏が始まると、今まで誰もいなかったステージ前に人が殺到。しかも、みんな気持ち良さそうに身体を揺すってます。これは、勝手に思っていた「ジャズ祭」のイメージとは全然違う! |
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最初に登場したのは「渋さ知らズオーケストラ」。ダンサーも含め、ものすごい大人数で、楽器編成もよく確認できないほど。 |
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サウンド的にも、お客さんのノリも、磯子マガジンが持っていた「大人の音楽・ジャズ」というイメージとはだいぶ違いました。ノリノリです。楽しいです。もちろん、後方で寝そべったまま聴くのもOK! |
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続いてメイン・ステージに登場した「quasimode」(クオシモード)は、クールなクラブ・ジャズ。
10/3に3rdアルバムが発売されるそうです。 |
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楽しいのはステージだけじゃない
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実行委員広報の華山さんが「これはお祭りなんです」と強調していたように、本牧ジャズ祭は音楽ステージだけのイベントではありません。ジャズにそれほど詳しくない人でも、思い思いのスタイルでこの場を楽しんでいます。 |
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ビーサン跳ばし世界(!)選手権。ビーチ・サンダルをどれだけ遠くまで飛ばせるかを競います。 |
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ロコ・サトシさんとお客さんが共同で描きあげる「ライブ・ペインティング」 |
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食べ物・飲み物、いろいろ売られていました。磯子マガジンの昼食はエビ天丼!
取材中なので、ビールは我慢しました。 |
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PA(音響)スタッフの方にカメラを向けると、こちらを向いてくださいました。 |
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入場口そばのテントにて。実行委員の華山さん(奥)、九鬼さん(左)、井高さん(右)。九鬼さんと井高さんは磯子区の人! |
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会場からかなり離れた場所でもスタッフはお仕事中。楽屋の駐車場誘導をしていた九鬼さん(左)と糸屋さん(右)です。九鬼さんは、左写真の九鬼さんのお父さんだそうです。親子でスタッフ! |
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○本牧ジャズ祭実行委員会・広報担当の華山雄一(かやま・ゆういち)さん(41)にお話を伺いました。
--- 天気が良くて良かったですね。
いやー、でも昨日はすごい雨だったので、前日準備が大変でした(笑)。
--- 本牧ジャズ祭のコンセプトは?
市民によるジャズ・フェスですね。日本のジャズ発祥の地・横浜ならではの音楽文化を発信していきたいと思っています。他のジャズ・フェスには無い特色を出そうとやってきて、今のスタイルになりました。
会場内でバーベキューができるジャズ・フェスティバルなんて他にはありませんし、ここは「ジャズ祭」っていう名前の通りで「お祭り」なんですよ。だから音楽だけじゃなくて、ビーサン跳ばし選手権だったり、今年は「横浜開港150周年記念プレイベント」でもあるので「たねまる」を呼んだり。
--- 出演者の選定は毎年どんな風に決めるのですか?
まず、50〜100組くらい候補リストを作ります。今が旬のアーティスト、話題のミュージシャンを中心に、ライブでお客様に書いて頂いたアンケートなども参考にしながら。ずいぶん候補が多いと思われるかもしれませんが、ある程度までは案外スムーズに絞れるんですよ。
--- 実行委員にはどんな人たちが多いですか?
全体で100人くらいいるんですが、年齢は18歳から74歳までさまざまです。でも一番多いのは30〜40代かな。ほとんどがサラリーマン、OL、主婦ですね。
--- 30代・40代の、働き盛りだったり、子育てに忙しい年代の人が多い地域活動って珍しいと思うんですが。
たぶん、このジャズ祭は「非日常」なんですよ。普通はこういうのって、業界の人じゃないと携われないじゃないですか。それが本牧ジャズ祭ならサラリーマンでも関われる。「関わってみたらすごい面白かった」、そういう人が多いんじゃないでしょうか。
--- 実行委員はこの近くの人が多いんですか?
横浜市内に住んでる人がほとんどですね。でも今年は長崎、新潟、神戸からそれぞれ一人ずつ来ています。元々は横浜に住んでいた人たちなんですけど。
実行委員は常に不足気味ですので、やってみたいという方はぜひご連絡ください!
(※詳細はコチラのボランティア募集ページをご覧ください)
--- 活動の頻度は?
普段は毎週土曜日に集まっています。
--- 華山さん自身はどうして本牧ジャズ祭に関わるようになったんですか?
13年ぐらい前ですかね、実行委員をやってた友達に誘われました。僕は浜松の出身で、その後は茅ヶ崎に住んでたんですが、途中からこの実行委員になって職場も横浜になったんで、ついでだからって(笑)、いま住んでる井土ヶ谷に引っ越してきました。
--- 実行委員会の中での役割は?
以前はステージだったんですが、今は広報全般です。実行委員会はブッキング、営業、広報、総務、企画などのグループに分かれています。もう普通の会社とおんなじですよ(笑)。
--- 実行委員会の大変なところは?
普段の会社の仕事をしながら、実行委員会のこともやらなくちゃいけないところですね。仕事中に出演アーティストの事務所から連絡が入ったりすることもありますから。特に僕は勤め先が広告代理店なんで会社での仕事の中身と、実行委員会での役割がちょっと似てるんですよ。それで「あれ、いまどっちやってるんだっけ?」って時々わからなくなることがあります(笑)。
--- では、どんなときにやりがいを感じますか?
お客さんが楽しんでくれてる、(会場を指差しながら)こういう状況を見たときですね。
--- 華山さんはジャズは詳しいんですよね?
いえ全然(笑)。
--- それでも長年、実行委員を続けているのは?
続けられている理由は、実行委員会のみんながもう友達なんですよ。戦友みたいなもんなので。そういうところが一番大きいですね。あとは毎年、いろんなことが起きるので飽きないんですよ。毎回新鮮なので。6年前には台風に直撃されて、それでもやったんですけど、お客さんは最後は30人しかいなかったですよ(笑)。
○本牧ジャズ祭とは
今年で28回目を迎える、地域に根差したジャズ・フェスティバル。年1回の本牧ジャズ祭に加え、サブ・イベント(番外編)も随時行われている。
出演者は「狭義ではなく広義のジャズ」をコンセプトにブッキングしており、過去にはPINK
CLOUD、竜堂組、シーナ&ザ・ロケッツ、TENSAW、CONXなど一般的にはロックと認識されているバンドや、エディ藩、憂歌団、山岸潤史、吾妻光良、近藤房之介、上田正樹、JAGATARAなどブルース・ソウル・ファンク系のアーティストも多数出演している。
また、実行委員長も今年の山崎洋子さん(作家)をはじめ、平岡正明さん(音楽評論家)、藤竜也さん(俳優)、阿木耀子さん(作詞家)、北方謙三さん(作家)、林海象さん(映画監督)など、毎年多彩な顔ぶれが歴任してきた。 |
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夕暮れ→夜→ミッキーさん登場→雨。
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さて、休憩を挟んで登場したのは「大野えり with 大口純一郎トリオ」。空は夕暮れ、そして徐々に暗くなっていきます。 |
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メンバーは、大野えり(vo)、大口純一郎(pf)、米木康志(b)、原大力(ds)。 |
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日もすっかり暮れた頃、「EnTrans」登場! どのメンバーも、ここで改めて経歴を記すのもはばかられるような、凄い人ばかりです。5人の活動歴を合計すると、ひゃくなんじゅうねん?
いや、いや、そんな野暮な計算はやめましょう。
磯子マガジンで音を伝える事はできませんが、写真を見ているだけで、なんだか音が聴こえてくるような気がしませんか? |
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ギターは井上堯之さん(スパイダース)。フラリとステージに上がってくる姿にヤられました。 |
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その傍らにはミッキー吉野さん(ゴールデン・カップス、ゴダイゴ)。磯子区出身!! |
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和太鼓奏者のヒダノ修一さん率いるEnTRANSは、トリを飾るにふさわしい、さすがの演奏&貫禄! |
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和太鼓をドラムセットのように組んで演奏するヒダノ修一さんは鼓童出身。 |
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ベースは「ナルチョ」こと鳴瀬喜博さん(スモーキー・メディスン、カシオペア)。 |
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奇跡の3ショット。あぁ、カッコイイ! そしてこれが準地元で見られるという幸せ。 |
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途中で雨が降り始め、スタッフの方が必死にカバーします。 |
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ところが、ステージの途中で雨が降り出してしまいます。急造のテントでその場をしのぐも、雨は止む気配を見せず、とても残念ですが、予定の曲数が少しだけ省略され、アンコールを聴く事はできませんでした。
ですが、その処置も正解だったようです。なぜなら、EnTRANSの演奏が終了後、さらに雨足は強くなり、下の写真のような状態に。これではとても演奏を続ける事は無理ですね。 |
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豪雨の中、女の子がひとり大ハシャギ。先ほどまでの盛り上がりが夢だったかのような風景です。
夏よ、サヨウナラ! |
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というわけで、ものすごく楽しかった本牧ジャズ祭は劇的に終了しました。「一応」と思って用意しておいたカッパを着用し、ゆっくりゆっくり自転車を走らせながら、帰宅したのでした。来年は絶対、客席で、ビールを片手に芝生に寝そべって音楽を楽しみたいと思いながら。
EnTRANS出番前の大切な時間に、ミッキー吉野さんにインタビューさせて頂きました。近く再発&発掘リリースされるソロアルバムのこと、サントラを担当した映画『ハッピー・フライト』のこと、地元磯子区でのコンサートの可能性など、いろいろなお話を伺いましたのでぜひご覧ください! |
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