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将棋の木村八段が根岸中で22人を相手に

2007年8月19日取材
プロ棋士の木村一基八段を先生としてお迎えしての将棋教室が、根岸中コミュニティ・ハウスで開催されました。

東京在住の木村八段は、今季絶好調で竜王戦挑戦者決定トーナメントの決勝に進出したばかり。名人戦の挑戦者を決めるA級順位戦(リーグ戦)でも谷川九段などをくだし、2連勝中です(無敗)。そもそも、A級順位戦に参加している時点で、日本のプロ棋士トップ10(名人も入れると11人)の中のひとりと言っていいわけです。
※8月23日現在で2007年度・勝数ランキング1位、勝率ランキング6位 詳細はコチラ

そんなすごい人をわが磯子区にお迎えしての将棋教室は、地元の将棋好き22人を相手に、同時に将棋を指していくというすごいもの。「22人を同時に!? いったいどんなものなんだろう」とワクワクしつつ、夏休みで大賑わいの通称「根岸のマンモスプール」(横浜プールセンター)を横目に、その向かいにある根岸中学に取材カー(人力二輪)を走らせます。
根岸中学コミュニティ・ハウス入口 根岸中学コミュニティ・ハウス
赤丸が根岸中コミュニティ・ハウスの入口です。
根岸中コミュニティ・ハウスのロビー

早い・・・、ものすごく早いです

成井さん 木村一基八段
区民利用施設協会の成井事務局長のあいさつで教室がスタート。
こちらが木村八段。
さてさて、22人を相手にする将棋というのがどういうものかというと、左下の写真のようになっています。
木村八段の将棋教室 木村八段の将棋教室
四方をたくさんの将棋盤に囲まれ、木村八段がぐるぐると回りながら、指していきます。
木村八段は2時間立ちっぱなし、歩きっぱなし。
対局開始前に木村八段が「指す時間より歩いてる時間の方が長いです(笑)」とおっしゃっていたとおり、とにかく指すのが早いんです。歩いて・・・、ほんの一瞬でパパッと指して、また歩いて・・・、パッと指す、という繰り返し。

1周するのにどれくらい時間がかかっているのか、試しに計ってみました。
計測1回目:1分12秒、 2回目:1分21秒、 3回目:2分1秒、 4回目:1分35秒
ひとりあたり3〜6秒。もちろん、歩いている時間も含みます。すごい。とんでもない早さです。木村八段は日本のトップ・プロなのですから、これくらいで驚いては失礼なのかもしれませんが、そう頭でわかってはいてもビックリせずにはいられません。

さらに驚いたのは、勝負が決まった後に木村八段がひとりひとり丁寧に解説されていた場面。「ここはこうした方が良かったですね」と、ほとんど全ての対局内容を記憶されているのです。

気になる対戦の結果は・・・飛車角落ちで一度だけ木村八段が敗戦。でもその敗戦も、教室の終了予定時間が迫り、決め手が見つからず「もう引き分けでいいですよ」とあきらめかけた参加者に対し、「いやいや、それではもったいないです。もうここまで来たらあと一手で終わりですから」と自ら相手にヒントを出しての敗戦でした。
木村八段の将棋教室 木村八段の将棋教室
小さな子どもも参戦。とても表情豊かに、ときにはニコニコ、ときには悔しがりながら、対戦を楽しんでいる様子でした。
女性もお二人参加。以前に木村八段から将棋教室で指導を受けていた方のようです。
木村八段の将棋教室 木村八段の将棋教室
実はこの男性の前で、木村八段がしばらく立ち止まることが多かったのです。勝ったのはもちろん木村八段でしたが。
勝負が決まると、「ここはこうしたら良かったですね」とやさしく丁寧に解説してくださいます。
木村八段の将棋教室 木村八段の将棋教室
参加者の顔つきは、真剣そのもの。終了後に何人かの方に感想をお聞きしたところ、「さすが」「格段の違いです」「すごい!」と皆さん感心・感激しきりでした。
木村八段の将棋教室 木村八段の将棋教室
対局の記念に、木村八段と記念撮影
最後にもうひとつ。木村八段、とても気さくで優しい方なんです。参加者に気軽に声をかけるのはもちろん、厳しい一手に参加者が「困ったな〜」と嘆き声をあげると、「困らせるように指しているんですよ(笑)」などとユーモラスに応じる場面もあり、会場はとってもあたたかな雰囲気に包まれました。

磯子マガジンも、この日の取材を通じてすっかり木村八段のファンになってしまいました。竜王戦や名人戦の結果速報をワクワクしつつ待たせて頂きます。そしてもし、また今回のような将棋教室が開催されることがあれば、こんどは取材ではなく、ぜひお手合わせをお願いしたいと密かに考えております。
●関連サイト
木村一基八段プロフィール (社団法人・日本将棋連盟 公式サイト)
Wikipediaの木村一基八段 紹介ページ
竜王戦 公式サイト ※竜王戦挑戦者決定戦、木村八段の対戦相手は佐藤二冠に決まりました。

地区センター、コミュニティー・ログハウス フェスタ

ところで、今回の将棋教室は、区内の地区センターやコミュニティー・ハウス、ログハウスが合同で行うフェスタのイベントの一環です。フェスタではほかに、記念品がもらえるスタンプラリーも実施中(9月末まで)。

また、9月22日(土)・23日(日)には磯子公会堂などで映画『ブレイブ・ストーリー』、『伊豆の踊り子』の上映会や落語、吹奏楽演奏など様々なイベントが開催されます。詳しくは、下記をご覧ください!

区民利用施設協会 公式サイト ここのお知らせコーナーにフェスタの内容が詳しく紹介されています。
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