ソラノカヲリ
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2007年2月19日取材 |
クイーンズスクエア内のみなとみらいギャラリーで、磯子区ゆかりの若き女流画家、空井美和さんの個展「ソラノカヲリ」が開かれています。 |
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会場に到着すると・・・
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磯子マガジンが取材に伺ったのは、個展初日の閉館まぎわ。開放感のあるギャラリーに到着すると、彩りあざやかな総計22点の作品が目に飛び込んできました。 |
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いかがですか? とても素敵な色をしていませんか。じっと見ていると、優しいようでもあり、クールなようでもあり、いろいろな表情のある絵だなぁと、思いました。 |
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20歳で単身渡仏
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現在25歳の空井さんは、高校を卒業するときには、美術系の大学に進学することも考えたそうです。でも、大学もいいけれど、油絵の本場ヨーロッパで勉強するのも得るものが大きいのではないかと考え、20歳で単身フランスへ。すごい行動力です。
10歳のときに初めて絵筆を握ったそのときから、空井さんが描いていたのは、水彩画ではなく油彩画でした。そんな慣れ親しんだはずの油絵も、フランスに行ってみると新たな発見があったとか。
「ヨーロッパで生まれた油絵は、やはりヨーロッパにいるほうが描きやすいんだとわかりました。日本は湿気があるので乾くまでに時間がかかって、なかなか大変です(笑)。」 |
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「陽の当たるギャラリー」で開催する理由
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ところで会場のみなとみらいギャラリーは、奥の壁と天井がガラス張りになっています。
「自然光が入る会場は、絵画にダメージを与えるのでタブーと言われてるんですけど、私はあえて自分の絵に自然光を当てたかった、光に映える色使いをしたかったんです。」
そう考えるようになったのは、フランス滞在中の出来事がきっかけだとか。
「ロマネスク教会で開かれていた展覧会を見に行ったんです。教会の中の光は、ステンドグラスを通過した7色の光で、壁の色も変わってしまうほど。なのに、飾られていた絵には、その光がとてもマッチしていたんです。もう、明らかに、はじめからそれを考えて描いているんですね。そういうやり方もあるんだ、と気付かされました。」
以来、自然光と、自分の描く絵との融合を意識するようになった空井さん。
「光が当たったときにどう見えるかを意識しながら、絵を描いています。それと、視覚だけじゃなくて、聴覚や触覚など五感に訴えるような絵を描いていきたいんです。風が感じられるような、何かに触れているような、何かが聴こえてくるような。そんな私の目指しているものが、今回のこの会場にはピッタリだと思っています。天井も高くて、とてもオープンなスペースなので。」 |
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昼間は、ガラス張りの天井や奥の壁から、陽の光が射し込みます。 |
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一番手前の作品「天体」は、陽が当たることを計算に入れたもの。立体的な造形をしています。 |
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実際に自分の作品に陽が当たった感想を尋ねると「思っていた通りのところもありますし、至らない点も見つかりました。」という答えが返ってきました。この個展を経て、今後の作品がどのように進化するのか、とても楽しみです。
ところで残念ながら、磯子マガジンの取材は陽が落ちてからになってしまったため、自然光の当たっている様子は見られませんでした。読者の皆様は是非、このページに掲載した絵画に陽が当たるとどのような変化を見せるのか、ご自身の目で、そして五感でご確認ください。 |
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★開催データ |
空井美和 個展 『ソラノカヲリ』 |
会場 |
みなとみらいギャラリー (クイーンズスクエア横浜2階) |
開催日時 |
2007年2月19日(月)〜2月25日(日)
午前11:00〜午後7:00 (最終日は、〜午後5:00) |
入場料 |
無料 |
アクセス |
・JR桜木町駅より徒歩10分(動く歩道、ランドマークプラザ経由)
・みなとみらい線「みなとみらい駅」(クイーンズスクエア横浜連絡口)よりすぐ |
個展を見逃した方、JR石川町駅そば、山下町のフランス料理店「キュイズィーヌ・A・エガミ」店内に空井さんの絵が飾られているそうです。所在地などの詳細は、お店のホームページをご覧ください。
また、2月26日(月)から銀座ギャラリーSalon de Gで開かれる「21展」にも空井さんの作品が展示されます。 こちらは、一線美術会所属の個性豊かな20人による展覧会です。
『21展』 |
会場 |
銀座ギャラリーSalon de G (電話:03−3571−5837)
東京都中央区銀座6−4−6 9階 (電通通り沿い) |
開催日時 |
2007年2月26日(月)〜3月3日(土)
午前11:00〜午後6:30 (初日は午後1:00〜。最終日は〜午後4:00) |
アクセス |
・地下鉄銀座駅より徒歩2分
・JR有楽町駅より徒歩4分 |
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最後になりましたが、空井さんは以前、磯子区内のレストランで働いていたことがあるんです。磯子マガジンが知り合ったのもその関係。実は、磯子マガジンのどこかのページに、ちょこっとだけ空井さんが登場しています。お時間のある方は探してみてください。
というわけで、磯子区にゆかりの深いアーティスト、空井さんの今後に要注目です! |
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