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杉田劇場から世界に羽ばたく若きピアニスト

2006年9月7日取材
杉田劇場の見どころ」ページでご紹介したばかりですね。9月7日(木)、若きピアニスト清塚信也さんのサロンコンサートが杉田劇場のリハーサル室で開かれました。

先の記事でも触れたように、清塚さんは近くギリシアで開かれる「ザイラー国際コンクール」に出場されます。そこで演奏予定の曲をすべて披露するという今回のコンサート。コンクール出場はもちろん、杉田劇場でのコンサートも急遽決まったのにもかかわらず、世界に羽ばたこうとしている清塚さんの雄姿を見ようと、たくさんのお客様が集まりました。その中には、なんと、指揮者・井上道義さんの姿も。
清塚信也サロンコンサート 応援メッセージを色紙に
清塚さんを応援しようという方達でいっぱいの客席。
会場の入口には、清塚さんへの応援メッセージを色紙に記入するコーナーが設置されました。

午後7時・・・

午後7時、開演。中村館長の紹介でいよいよ清塚さんが登場し、演奏が始まりました。
清塚信也さん1 清塚信也さん2
清塚信也さん3 清塚信也さん4
んんん。素敵な音色(ねいろ)です。すごくいいです。磯子マガジンはクラシック音楽に関して全くの素人なので、清塚さんの演奏をうまく表現する言葉が見つからないのがたいへん申し訳ないです。

見当ハズレを恐れずに感想を言いますと、前半は若々しく緊張感あふれるステージ、休憩をはさんでの後半は、あたたかさと優しさと、それから躍動感が加わったように感じられました。客席からの拍手も、曲が進むにつれ、熱を帯びていきました。

しかも、リハーサル室という場所がまたいいんです。距離も近いし、ステージも高くなっていないので、本当にすぐそこ、手の届きそうな近さで演奏が行われているという臨場感。とても贅沢なコンサートでした。

月9ドラマ『のだめカンタービレ』にゲスト出演も決定

ところで清塚さん、超人気コミックのドラマ化となるフジテレビ『のだめカンタービレ』(10月スタート、月曜よる9時)にもゲスト出演されるそうです。撮影はもう終わったのだとか。そんな話題もコンサートの合間に中村館長から発表されました。これは楽しみ!
中村館長 色紙贈呈
清塚さんが『のだめカンタービレ』に出演、という話題を発表する中村館長。
熱い応援メッセージがたくさん書き込まれた色紙を、清塚さんに贈呈。
花束贈呈 花束を持つ清塚さん
花束贈呈。
花束が似合ってますねー。羨ましい!
終演後の歓談1 終演後の歓談
終演後にロビーに出てきてお客様と歓談する清塚さん。
若い女性ファンと握手。
終演後の楽屋裏では、今日の演奏に感激した方たちのあいだで、後援会を結成する動きも出てきたようです。清塚さん、今日、杉田劇場にいらしたみんなが応援しています。コンクール、頑張ってください!!

井上さんと清塚さんにお話を伺いました


左から中村館長、井上さん、清塚さん
指揮者・井上道義さんのお話
こういう場があっていいなぁ。あたたかいなぁ。今の世の中は、あたたかいばかりじゃなくて、いろいろなことと闘っていかなきゃならないけど、こういう、あたたかくて愛情のある場所で応援してもらって、それが彼の自信になり、いい結果が生まれたら、と思います。
それと、これは簡単なことではないんですが、ホールの中で(ピアノ演奏を通じて)お客様との対話ができるようになってください。
今日のことがプラスになっていくといいなと思っています。


清塚信也さんにミニ・インタビュー
---今日はいかがでしたか?
会場のあたたかい雰囲気に恵まれました。普段、いろんな演奏会をしていて、集まっていただいた方の息遣いとか全体のオーラとかで、「今日はちょっと冷たいな」とか(笑)わかるものなんです。今日はとってもあたたかくて、親身になって聞いて頂けて。ですのでとても弾きやすかったですし、いい集中ができるような適度な緊張感を持つこともできました。

---井上さんが客席にいらしていました。
井上先生とは結構長い縁なんです。僕がモスクワ留学中に日本に一時帰国して開いた演奏会でも先生にレクチャーして頂いたり。共演はまだないんですけども、個人的には面識がありまして。今日は、私のために先生がこうして来てくださって大変光栄です。

---休憩時間中にお二人でお話しされていましたね。
今日の演奏について、マエストロとしての注意点を幾つか言って頂けて。ピアノを弾く技術については問題ないんだから、休符の間(ま)とか、聞いてる人に心地いいところ、そういうところを重点的に感じながら、これから弾いていきなさいって助言して頂きました。とてもありがたかったです。

---最後に、今日来てくださった皆さんへのメッセージと、コンクールへ向けての抱負を。
今日は来て頂けて、本当に光栄でした。コンサートっていうのは、ピアニストの力だけではなく、お客様のあたたかい心があってはじめて成功があるんだっていうことを、改めて痛感することができました。
それとスタッフの方達、杉田劇場の皆さんのご尽力や、ヤマハさんにメンテナンスして頂いたピアノも素晴らしかったですし、そういう全体が一体になって、いいコンサートができるんだと。ピアニストは練習だけすればいいというわけじゃないんだって思いました。

コンクールでも、ただ出てただ弾くのではなくて、そういうことがきっと重要なはずです。井上先生もおっしゃられていたんですけれども、お客さまの耳になって聞く、お客さまの目になって見る、そういうことを心がけて、コンクールに挑んできたいと思います。今日は本当にどうもありがとうございました。
本日のプログラム
第一部
 J.S.バッハ 平均律2巻より17番 変イ長調
 スカルラッティ ピアノソナタ K.14
ピアノソナタ K.87
ピアノソナタ K.141
 モーツァルト ピアノソナタ K.457 ハ短調
第二部
 ショパン ノクターン 遺作
 ショパン スケルツォ3番 Op.39 嬰ハ短調
 クララ=シューマン スケルツォ
 ラフマニノフ 練習曲 ”音の絵”より
アンコール
 武満徹 閉じた眼
 オリジナル曲 祈り
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