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録音ボランティア 『アマリリスの会』

2006年4月27日取材
視覚障害者の方たちに向けて、イベントのニュースや生活情報、本の朗読などを吹き込んだ録音テープを作成し、配送するボランティア活動を続けているのが磯子区の録音ボランティア「アマリリスの会」です。テープ作成のほかに、誘導といって各種の催し等で視覚障害者と行動を共にしたり、ボランティア講座などに講師を派遣したり、といった活動も行っています。
この日、参加したメンバーで記念撮影 にぎやかな作業風景1
作業に参加していた会員の方達と記念撮影。
前列左から2人目が会長の加地さんです。
作業は、集中するときは集中! 雑談するときは
雑談(!?)という感じで、とても楽しそうでした。
「アマリリスの会」のメインとなる活動は、上記のように録音テープ作りなのですが、録音テープとは何かというと、視覚障害者の方たちは紙に書かれた、あるいはパソコンの画面に表示される文字や画像を見ることができません。そこで、情報を音声にしてカセットテープに録音し、視覚障害者の方たちに送り届けているのです。その内容は、定期的に発行される3種類のテープ雑誌と、視覚障害者の方から個別に依頼のあったときに作成する「書籍」「雑誌」「各種参考書」「取扱説明書」などの録音テープ。例えばテープ雑誌は、次のような手順で作成するんだそうです。

@ナレーション担当の方が音声を録音・編集し、マスターテープを作成
 ↓
A高速ダビング機で配布する本数分ダビング
 ↓
B正しくダビングできたか、実際に再生して確認
 ↓
C視覚障害者の方とボランティア会員に発送

磯子マガジンはBの様子を見学させて頂きましたが、集中力と根気が必要な、なかなか大変な作業のようでした。
ダビングしたテープの再生テスト ダビングの機械
この日はダビングしたテープが正しく再生できるか
実際に再生して確かめるのが主な作業。
これがテープをダビングする機械。
いちどに7本のテープをダビングできるそうです。
録音室の様子 にぎやかな作業風景2
こちらは磯子センター5階の録音室。
マスターテープを録音するときに使う部屋です。
会のメンバーは現在ほとんど女性。
で、男性のメンバー大歓迎だそうですよ。
アマリリスの会が活動を開始した頃からのメンバー杉本房子さんの話
私は赤十字の活動を若い頃にやっていたんですが、一時は仕事が忙しかったり家庭に入ったりで、そういう活動から離れてたんですね。で、あるとき磯子ホームでボランティア活動をしてみないって誘われたのがきっかけで、磯子という地域でのボランティア活動に携わるようになり、その後、今やっている録音ボランティアにも関わるようになりました。
録音ボランティアは、最初は磯子区のボランティアグループ連絡協議会の中での活動のひとつだったんですね。そのうち、作成するテープが増えてきたり、内容的にも高度化・多様化していって、他の地域ボランティアと両立させるのが難しくなってきて、会として独立したという経緯があります。
皆さんに無料でカセットテープを送り届けるための郵袋(ゆうたい)っていう袋の使用を認めてもらうための交渉だとか、以前は体制を整えるのにさまざまな苦労があったんですが、視覚障害者の方が喜んでくださること、「ありがとう」って言ってくださることが、これまで続けてこれた理由のひとつだと思います。

アマリリスの会・会長の加地万紀子さんの話
私は「ザ・トークの会」という朗読サークルに趣味で参加していまして。というか実はいま、ザ・トークの会の代表も私なんですが(笑)。それで10年くらい前ですか、そのサークル仲間でもある杉本さんに誘われたのが、アマリリスの会に参加したキッカケです。朗読サークルで勉強したことが多少なりともボランティアに役立つのならと思いまして。
人間として自分には厚みが足りないんじゃないかと思ってるんですね。長くアマリリスの会で活動されているメンバーの方からは、包容力とかあたたかさをすごく感じるんですよ。私も会の活動を通して、そういうものが少しでも身に付いたらいいな、自分が成長できたらいいなと思ってやってます。
それとね、最近いろんな事件が起きて、安心しにくい社会になってますけど、こういうボランティア活動が広がっていくことで、もうちょっと世の中も優しくなるといいなぁと思います。

アマリリスの会の活動概要
○会員:約20名
○活動日:定例会・発送=月2回(原則として木曜日)、テープ作成当番=年2回程度
  ※ほかに依頼図書の録音テープ作成や誘導が随時
○活動場所:磯子センター(磯子駅より徒歩約10分。磯子区役所の先、産業道路沿い)
○活動内容:録音テープ作成・発送、視覚障害者の誘導、ボランティア講座等への協力など
録音ボランティア入門講座
アマリリスの会では、5年ぶりに録音ボランティアの入門講座を開催します。「5年ぶり」ということからもわかるように、頻繁に開かれる講座ではないので、ぜひこのチャンスに受講してみてはいかがでしょう。
※アマリリスの会に参加するためには、この録音ボランティア入門講座を受講する必要があります。

日程 2006年6月1日(木)〜7月13日(木)の毎週木曜 午後1:00〜3:00 (全7回)
場所 磯子区福祉活動拠点の多目的研修室(磯子センター4階) 
対象 講座終了後、区内のボランティアグループでの活動を希望する方で、講座に全回出席できる方
参加費 1,000円(含テキスト代)
定員 20名
内容 音声訳と録音・編集機器操作の講習
申込方法 往復はがきに@住所A氏名B年齢C電話番号D受講動機 を明記の上、5月19日(金)必着で下記までお申込みください。
〒235−0016 横浜市磯子区磯子3−1−41 磯子センター5F
横浜市磯子区社会福祉協議会 録音ボランティア入門講座係
問合せ 045−751−0739
主催 横浜市磯子区社会福祉協議会・磯子区録音ボランティア「アマリリスの会」
協力 磯子区視覚障害者福祉協会

録音ボランティアに向いているのはどんな人か、杉本さんと加地さんにお話を伺いました。
録音ボランティアには、高度な技術はそれほど必要ありませんが、根気がいりますし、それなりに時間もかかる。決してラクな作業ではありません。ですから、頼まれたことを最後まできちっと行うことができる、責任感のある方に参加して頂きたいです。それから意外に思われるかもしれませんが、録音ボランティアは一人きりよりチームワークで行う作業のほうが多いんです。だから、協調性のある方が向いていると思います。
それから、今後はテープではなくCDに焼いたり、編集をパソコンでしたりというケースも増えてくると思うので、パソコンに詳しい方にも参加して欲しいですね。あとはアマリリスの会は女性が多いので、テープ雑誌の内容も女性が興味をもつものが多くなりがちなんですが、テープをお届けする視覚障害者の方達は男女半々くらいなんですね。それで、アマリリスの会にも男性会員が増えてくれれば、今までとは少し違った視点から作成できるんじゃないかと。
アマリリスの会のあゆみ
1978年度 ・磯子区ボランティアグループ連絡協議会(以下、ボランティア連絡会と略)発足
1980年度 ・ボランティア連絡会にて視聴覚障害者理解のための研修会開催
・ボランティア連絡会が録音図書文庫事業開始
・ボランティア連絡会内に録音グループとして会が発足
1996年度 ・ボランティア連絡会より独立
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